言いたくないこともある
同僚のマキさん(仮名)には、学齢期のお子さんがいらっしゃる。
その関係で、時々仕事を抜けたり休んだりすることがある。先輩ママ(私の事ね)は、物分かりが良いので、快く留守を預かる。自分も通ってきた道だからね。
オーナーも、子供を育て上げたママだ。
彼女は、子供の頃に韓国から渡米した韓国人女性。50年もアメリカに住んで、アメリカの教育を受けてきた人だ。
さぞアメリカナイズされているかと思いきや、意外と古風な考えをするところがある。
ある日、マキさんが早退した後、私のデスクへ来て、
「ねえ、ねえ。マキさん、どうしたの?」
「ご家族の用事だそうですよ。」
「家族の誰?息子さん?娘さん?どんな用事?」
「特に言ってませんでした。」
「なぜ聞かないの!?」
「言いたくないのかと思って。」
「あなたね、長くアメリカに住んでいる割には、そういう所が日本人よ。
韓国人は、全部知っていないと気が済まないの。」
そういうあなたは、私より長くアメリカに住んでますよねえ。
芯はブレない