いつの間にか長くなったLA暮らし

ロサンゼルス(LA)に住み始めて、いつの間にか40年以上が過ぎました。仕事と趣味を楽しみながら、忘備録としてつらつら書いています。

再出発

Kさんが、ご家族との本帰国を決意した。



Kさんは、 大変几帳面で、常に丁寧な暮らしを心掛けている様子が見える素敵な女性だ。3人のお子様たちは、「子供は、育てたように育つ」という言葉通り、どの子も聡明で美しく、Kさんの愛情あふれる育児が伺える。




お子さんたちが学校に行っている間に仕事を引き受けてくれていて、決して手抜きをしない確かな仕事内容は、安心してお願いできるものだった。




それが、2020年のコロナのロックダウンで学校が休校になり、お子さんたちを家で見る必要があるため、仕事ができなくなった。




その後、現地校が対面授業になり始めた頃に、様子伺いで、



「ぼちぼちお仕事始めませんか。」




的なメールを送ったところ、




能天気な私のメールに、コロナでご主人が職を失ったこと、そのため、車を1台処分し、お子様の送り迎えと家族の用事を1台の車で回しているため、自分の都合で自由に動くことが難しいことなどを、それは丁寧に説明するお返事を頂いた。




事情を知らなかったとは言え、無神経な様子伺いに気を悪くしたのではないかと、本当に恥ずかしい思いをした。




それが昨年の今頃の事だった。





今回、更新が必要な書類があり、久しぶりに連絡をしたところ、
本帰国を決めたので、更新はしないとのことだった。




家族や親せきの後ろ盾なしで、アメリカでゼロから生活をスタートする、いわゆる新一世と呼ばれる日本人家庭は、特殊な技術や潤沢な資金がある家庭を除き、大体が、厳しい条件の中で生活の基盤を作り、子供を育てて行く。




子供たちは、放っていても日本語と英語のバイリンガルになるわけではなく、教育には時間もお金も労力もかかる。




Kさんのご家庭がそうだというわけではないが、今回本帰国を決めるまで、きっと色々な葛藤があったに違いない。





学齢期のお子様を抱え、帰国後も大変に違いないが、だれも身内のないアメリカで頑張ってきたことは決して無駄にはならないだろうし、Kさんの事だ、目の前のことを一つ一つきちんと片付けて、ご家族のために、お子さんたちのために、道を切り開いて行けると信じている。





日本での再出発、心から応援しています。

×

非ログインユーザーとして返信する