いつの間にか長くなったLA暮らし

ロサンゼルス(LA)に住み始めて、いつの間にか40年以上が過ぎました。仕事と趣味を楽しみながら、忘備録としてつらつら書いています。

子供の幸せの願い方



以前頼まれて、少しの間手伝いに行っていた会社がある。
そこの部署では、私ともう一人、日系人の男の子の他は、流動的ではあったが、全員韓国人の若い男の子4-5人が働いていた。



彼らの美意識の高さと言ったら、みんな若いのに、よくあんなに自分にお金をかけられるものだと感心するほどだった。






洋服
靴や時計、カバンなどの小物



全てブランド品。



その中でも、ディバイダ―をはさんで私の向かいの席にいたテグは、



「好きな食べ物、プロテイン。」



というくらいで、鍛えた体に自信があるようで、嫌味にならない程度に筋肉美が分かるような着こなしをするおしゃれな子だった。




時々迎えに来るガールフレンドもまたきれいな子で、髪はつやつや、お肌はつるつる。
美男美女のカップルで、目の保養にさせてもらっていた。
付き合って3年だそうが、悩みがあるとのこと。




あらあら、何でしょう。




実は、彼女のお父さんが二人の交際に反対だというのだ。



え?

Why?



理由は、テグがお金持ちじゃないからだそうだ。



でも、正社員で働いているし、夜はUCLAでクラスを取って、ステップアップを目指している、私から見たら、将来が楽しみな優良株なのに、なぜ?




そういう子の将来が、自分の娘の幸せに繋がらないのかなあ。




丁度その頃、私の息子の結婚が決まり、親として、子供が幸せになる喜びを感じていた時期だった。




友人たちが、



「息子を取られるのよ。ラクラシさんは、きっと結婚式で泣くわね。」




なんて言っていたが、とんでもない。


息子のことを愛してくれて、結婚して家庭を持ってくれる。嬉しい以外の気持ちがわいてこない。



子供が幸せなら、親も幸せなんじゃないの?



テグは、きちんとした会社で正社員として働く真面目な子だ。そういう子を、金持ちじゃないと言い切り、娘が幸せになれないからと、交際も、まして結婚も認めないのはなぜ?




21世紀よ!?
平成よ!?(平成の頃の話)





韓国では、大人になっても、親の、家庭内での発言権が絶対的だというのは、ドラマの中だけの話ではないのだなあと、妙に納得したのを覚えている。





子供には幸せになってもらいたいと願わない親はいない。




その願いの形は、それぞれなんだなあと感じた出来事だった。




その後、二人はどうなったかというと、2年かけて説得したけど、どうしても許してくれなくて、別れてしまったそうだ。



「もう、疲れちゃったよ。」



ぽつんと一言いったテグの顔を、今でも時々思い出す。




良い人に巡り合って、幸せになっていて欲しい。

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