いつの間にか長くなったLA暮らし

ロサンゼルス(LA)に住み始めて、いつの間にか40年以上が過ぎました。仕事と趣味を楽しみながら、忘備録としてつらつら書いています。

読後感 「セカンドライフ」新津 きよみ



セカンドライフ (徳間文庫) | 新津きよみ |本 | 通販 | Amazon



「見知らぬ乗客」「演じる人」「誤算」「セカンドライフ」
「三十一文字」「雲の上の人」「定年つながり」


7話収録の文庫オリジナル短編集。


とても読みやすく、最初はさらっと読んだが、


さらっと読む内容ではないのに気付き、もう一度、今度はじっくり読んだ。



7話のうち、3話は男性目線で書かれている。


その中で特に面白いと思ったのが、「誤算」。


元の部下との折り合いが悪く、会社での居場所を失くし、


予定より早く定年退職を決めた主人公が、


することもなく、家族からも蔑ろにされ、家庭での居場所もなくなってしまう。



以前、妻と、夫の定年退職後にやってみたいことを書き出してみようと言って


書いたことを思い出した。



自分は、


* 日本 中 の 鉄道 路線 を 乗り 尽くす。  
* 豪華 寝台 列車 に 乗っ て 旅行 する。   
* キャンピング カー を 買う か、 レンタル し て 旅行 する。  


など書き出したが、当然の様に、それらは全て夫婦単位ですることを想定してたのに対し、



妻の方は、


*家庭菜園 で もっと たくさん の 種類 の 野菜 を 作り たい。 
*和裁 を 習っ て、 着物 が 仕立て られる よう になり たい。 
*着物 を 洋服 や 小物 類 に リフォーム できる よう になり たい。 
*和菓子 作り を 習い たい。 



など、全て自分一人でできることを想定していたものだった。




熟年離婚が増えるのは、こういう夫婦の気持ちの行き違いの積み重ねなんだろうなと考えさ


せられる。



定年がテーマの内容なので、どれも気持ちを入れて読むことが出来た。


本の題名と同じ「セカンドライフ」は、


結末は現実味が薄いとは言え、定年退職したご主人が毎日家に居て、


妻の買い物にも付いて来てはあれこれ口出しをするなど、


ありそうな話は、ドラマになりそうだと思った。




この、新津きよみさんの作品、とても読みやすく、かつ、


登場人物の気持ちがとても分かりやすく描写されているので、人気があるのが分かる。



文学賞も多く受賞されている方なのね。


357作品も書かれているそうだ。


これをきっかけに、彼女の作品をもっと読みたいと思った。

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