いつの間にか長くなったLA暮らし

ロサンゼルス(LA)に住み始めて、いつの間にか40年以上が過ぎました。仕事と趣味を楽しみながら、忘備録としてつらつら書いています。

元気じゃないからここにいる



持っている保険の種類にもよるが、アメリカの多くの人には、かかりつけのドクターがいて、定期的に健康診断を受けるようになっている。そこで気になる症状があると専門医に回され、精密検査を受けることができる。




乳がんや子宮がん、大腸検査なども、ドクターから、



「そろそろやったほうがいいね。」


と言われて



「はーい」




という感じで定期的に受けている。保険が効くので、自分の持ち出しはほとんどない。


なので、医者にかかるイコール病気という発想はあまりなく、多くの人は健康維持のためにドクターオフィスを訪れる。





その日も、健康診断の予約があったので、待合室にいた。




あら、知ってる顔。


前に一緒に働いたことのあるS氏だ。




「あら、久しぶり。お元気?」







「元気じゃないからここにいるんだよ。ここ、医者だよ。」






大変失礼しました。




自分がそうだからと言って、他の人も健康診断と思ってはいけない。




聞けば、運動不足と不摂生で、エコノミー症候群になってしまったとのこと。


まあ、それは大変。


幸い既に回復に向かっていて、その日は検診後にお薬を出してもらうだけということだった。良かったこと。






ところで、Sさんには二人のお子さんがいて、もう成人しているはずと思ったので、




「お子さんたちはどうしてます?」





の問いに、





「二人とも30歳を過ぎたのに、まだ家にいるんだよ。」





とのこと。




「あら、良いじゃないですか。きっと居心地が良いのね。」





「さっさと自立してくれないかと思ってるんだけどね。」


「僕、いつまでたってもリタイアできないよ。」





レントの高いLAでは、若い人の自立は金銭的に厳しくなっているし、実家があるのだから、あえて家を出る必要もないのだろう。



親にしても、それはそれで心強いのではないかと思う。



あの後、別の場所でお会いしたS氏、相変わらず不摂生の様子。





お子さんたちのためにも、いつまでも健康でいて頂きたい。

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