いつの間にか長くなったLA暮らし

ロサンゼルス(LA)に住み始めて、いつの間にか40年以上が過ぎました。仕事と趣味を楽しみながら、忘備録としてつらつら書いています。

普段温厚な人が怒り、裏表のない人が自分の非を認めてすぐに謝った日


私が働く会社のオーナーは、子供の頃に親に連れられて渡米した韓国人女性だ。


元々の性格なのか、アメリカナイズされたのかは不明だが、


彼女、思い込みが激しくて、割と思ったことをすぐに口に出すタイプの人だ。


人によっては、そういう人を苦手と思う人もいるようで(特に日本人)、


私がオフィスに入るまでに、結構人が入れ替わった。




そのオーナーが、昨日は何か急ぐ用事があったようで、


終業時間の5時半になったと思ったら、オフィスの電気を全部消して、


アラームをセットして飛ぶように帰って行った。


残ったのは、マネージャー(フィリピン人)とジェーン(韓国人)と私の3人。


アラームはセットしたら1分以内に施錠しないと無効になる。


まだ仕事していたので、コンピューターを切ったりタイムカードを押したりするのに


3人でワチャワチャ。


突然電気を消されたから、真っ暗でタイムカードも見えない。


それでも何とか外へ出てマネージャーが施錠しようとしたところで1分が過ぎてしまい、


アラームが鳴り出した。



マネージャーは、韓ドラをこよなく愛するロマンチックな女性で、


普段から感情を表に出す事の無い、とても温厚な人だ。


その温厚なマネージャーが怒った。



「彼女はこんなことしちゃいけないわ!自分の事しか考えていない。
 私たちを無視して、まるで意地悪をするみたいなやり方は
 オーナーとしてするべきじゃない。」



びっくりしたよ。



オーナーは子供みたいな人で、何かで頭がいっぱいになると周りが見えなくなる。


だから、多分私たちが残っていたのを無視したわけじゃなく、見えなかったんだと思う。


でも、今目の前で激怒している人にはそんなこと言えない。


マネージャー、おもむろにアラームを切って、



「さあ、帰りましょ。警備会社からオーナーにアラームがセットになっていないと
 連絡が行くはずよ。彼女が後でここに戻って来てセットし直せばいいのよ。」



こわっ。😱



もし私だったら、仕方ないなあと思って、セットし直してあげると思う。


でもそれだと、オーナーは自分が何をしたか気付かないだろう。


だから、マネージャーは怒って良いし、そのままにして帰ったのは正しかったと思う。




その日の夕方、オーナーからテキストが来た。


「ラクラシさん、警備会社から連絡が来たわ。
 家族のことで緊急な用事が入ったので、急いで帰ることしか頭になかったの。
 御免なさい。」




彼女の、思ったことをすぐ口にするところは、良く言えば裏表がないということだ。


自分が悪かったと思うと、次の日まで待たずに、こんな風にすぐに謝ることが出来る人だ。


そんなオーナーのことを、私は嫌いではない。

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