読みたかった本 「コンビニ人間」
第155回芥川賞受賞作のこの本を、ずっと読みたいと思っていた。
今回、やっとAmazon Unlimitedで読めるようになったので、
早速読んでみた。
幼い頃から「他とは違う」自分を、
どうしたら「普通」になるのか、
周りの人たちを見て模索していく主人公の古倉恵子。
大学卒業後も就職はせず、18年間ずっとバイトとしてコンビニで働いている。
すべてマニュアル化されたコンビニで働くことで、
自分の生活をマニュアル化し、それに従って生きることで
「普通」に生きていくようになる。
そこへ現れた白羽という男性。
この男が、もう本当にクズ。
統一化された価値観の中で生きることが「普通」なら、
その「普通」の中で生きにくさを感じている人たちは、
その苦しさをどこへ持って行けば良いのだろう。
「多様性」とは何だろうと思わされる。
世の中には色々な人がいる。
自分と違った価値観の人がいるのは当然なのに、
「そういう人もいる。」
と思って放っておいてくれない。
その煩わしさから恵子は白羽にある提案をする。
文章は読みやすく、サクッと読める。
主人公の古倉恵子をはじめとして、登場人物の誰にも共感が出来ないんだけど、
でも、
色々と考えさせられる作品だ。