Kindle Unlimited で読む「砂の王国 ㊤㊦」
主人公がホームレスに堕ちて、路上生活を始めたところから話はスタートする。所持金はわずか3円。ここから再起を図り、立ち上がる。
口八丁の辻占い師・錦織龍斎と、同じホームレスだが絶世の美男子・ナカムラ。
とある方法で資金を得た主人公は、人生の一発逆転を図るために、2人に声をかけ、3人で協力してビジネスをスタートさせる。
そのビジネスとは、新興宗教。
ナカムラの持つカリスマ性に惹きつけられた人々は熱狂的な信者となり、徐々に規模の大きな組織となって行く。肥大化した組織は、枝分かれし、元々がお金で結びついていた3人の関係が、だんだんと壊れて行く。
組織を牛耳ろうとする龍斎によって、主人公は反逆者として組織を追われる身となる。
所持金3円のホームレスだった頃の主人公は、絶望の淵に身を置いていたが、再びホームレスになった彼には、もう絶望感はない。自販機の下から出てきた100円玉を見つけ、
「お、100円だ。」
で終わらせたところは、読者に続編を期待させるうまさだと思う。
㊤㊦2巻の長編だが、一気に読み終えた。