ナオミさんの話②
乳がん検査は定期的にしていたのにもかかわらず、
がんが発覚し、治療を始めたナオミさん。
思い切りが良いというか、気持ちの切り替えが良いというか、
すごいなあと思ったのが、キモセラピーをしている間も仕事を休まなかったことと、
副作用で髪が抜け始めた頃、抜けた髪が洋服の中に入って不快なのと、
家の中が抜けた髪で汚れるのが嫌だからと、早々に美容室へ行き、
丸刈りにしてもらったことだ。
「今日はどのウィッグにしようか。」
なんて、余裕まで見せていた。
そして、
「聞けば心配するし、してもらいたいこともないから。」
と言って、病気のことは日本のお母さんには話さず、一人で戦った。
娘としてのお母さんへの優しさだったのかもしれない。
もし話したとして、心配して飛んで来られても、
オロオロ泣くだけの母の面倒は見られない。自分のことだけで精一杯なのだからと。
辛い治療期間を耐え、新しく髪も生えてきて、ウィッグともおさらばした。
あれからもう10年以上になる。
今でも、会うたびにステップアップして、着々とキャリアを積んでいるナオミさんを
友人として尊敬し、誇りに思っている。
ナオミさんの猫はクロネコちゃん