いつの間にか長くなったLA暮らし

ロサンゼルス(LA)に住み始めて、いつの間にか40年以上が過ぎました。仕事と趣味を楽しみながら、忘備録としてつらつら書いています。

差し入れのドーナツで思う母娘関係 / 読書:「月の立つ林で」 青山美智子


今日差し入れでいただいたのはドーナツ。


可愛いデコレーションで、写真を撮ろうと思ったら、


マネージャーが先に一個取ってしまって、私が写真を撮っていたら、


戻って来て撮影させてくれた。ありがとさん。


見かけほど甘くなくて美味しかった。


今日は、バイトのハナちゃんも、オーナーの娘のチエちゃんもいなくて、


若い人がいないと、こういうものは減らない。


余ったの、頂いて帰った。



オーナー娘のチエちゃんは、感心するくらいに良い子だ。


普通、お母さんと24時間一緒って、大変だなあ、特にコリアンママは強いから、


そういう人とうまくやって行くって、難しそうに見えるんだけど、


しょっちゅう大きな声で、



「チエ!! Come here!!!」



と呼ばれても、嫌な顔一つしないで、色々仕事の手伝いをしている。



一時は、他の州へ行ったり、日本へ行ったりしていたけど、


結局戻ってきた。


やっぱり親元が良いのだろう。





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読んだ本。




『お探し物は図書室まで』の作者の青山美智子さん。


彼女の本は、共通のモチーフを軸に、話ごとに主人公を変え、


物語がリレー形式で綴られていくのが特徴のようだ。


この、「月の立つ林で」では、月をテーマにしたポッドキャストが


毎回出てくる。


登場人物たちは、作品の中に出てくる、


タケトリ・オキナという男性が語るポッドキャストの番組


『ツキない話』を聞くことで、月に関する話に心を寄せながら、


それぞれの毎日を紡いでいく。



『ツキない話』の中にくり返し出てくる「新月の話」というのがとても印象的だ。


タイトルにもなっている『月の立つ』というのは、月のはじまりのことで、1日の当て字『ついたち』の語源、『つきたち』をあらわした言葉だそうで、新月の日をついたちと呼ぶのだそうだ。


登場人物たちは、仕事や家族関係で悩みながらも、今は新月で、何も見えない状態でも、「新月」イコールここからスタートと思うことで、やがて物事を前向きに捉えていく。



新月とは地球から見て月と太陽の方向が同じになり重なるので、
地球からは見えない月
見えないけれど、確かにそこにある、大きな存在だ。
自分の力ではどうにもできないことがある。
自分で自分を抱きしめることなんかできない。
でも、見えなくてもそこにあると確信することで、自分を取り戻すことが出来る。




長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦められない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士......。


5人の主人公たちの心情の、どれにもとても共感できて、


特に、3話目の、娘を遠くに嫁がせた父親の話が、ぐっと来て、


思わず泣けてしまった。

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