パリパリ文化
私が働いている会社のオーナーは、子供の頃に両親に連れられて渡米してきた韓国人女性だ。アメリカで教育を受け、バリバリ仕事をこなす、大変パワフルな人だ。
なので、さぞかし頭の中もコンピューターの様かと思うのだが、それが、案外マニュアルで、古い考え方をするところにギャップがあって面白い。
まず、大切な情報は、全て紙でなくては信用できない。いくら、全てコンピューターに入っていると言っても納得しない。なので、過去の書類はすべて紙に印刷して取っておくので、ファイルの量が半端ない。
忙しい人なので、自分のスケジュール管理は、壁掛けサイズのカレンダーに書き込み、それを持って歩く。
クライアントの支払い方法は、小切手のみ。今の時代、高校生でもZelleやvenmoでお金のやり取りをするのに、形があって目に見えるものでなければ、絶対に受け付けない。
それは、その人の考え方だし、受け取った小切手を銀行へ持って行くのも本人が自分でするので、周りは好きにさせている。
その入金で、腹を立てて帰って来るのもいつものことだ。
韓国人は、とにかくパリパリ(せっかち)なので、もたもたしているのに我慢ができない。
「もー。とにかく遅いのよ!」
アメリカでも大手の銀行なのに、会社の近くの支店は、どうもオーナーの気に入らないらしい。
またイライラしているわ。
と思っていたが、先日、オーナーが長期の休みを取ったため、代わりに私が入金に行った。
なーるほど。
あのパリパリのオーナーがイライラするのが分かった。
平日の昼間、テラーの窓口は一つしか開いていない。客は列を作って待っているのに、遅々として進まない。
「これはだめだ。」
オーナーの気持ちがよく分かった。本当に遅い。
ということは、私もパリパリなのかしらん。
早くしないと昼休みが終わっちゃう