夫の決断(1)
1年に一度の航空ショーを、せっかく楽しみにしていたのに、
濃霧のため、ショーは見ることが出来ずに帰路に付いたシニア夫婦。
帰りに寄った居酒屋さんで、オットが意外なことを話し始めた。
オットは、長く働いていた会社を、
私が65歳でメディケアを受けるようになるのを待って退職した。
その後は、家の近くで、バイト程度の責任のない仕事を探して、
機嫌よく通っている。。。と思っていた。
友人たちの中には、
「ラクラシさん、いつまでオットさんを働かせるの。」
と言う人もいるが、別に私が鬼嫁で、
と言って働かせているわけではない。
特別な趣味があるわけでもなく、一日中家に居て、誰とも話さず、テレビを観るだけで、
そのうち寝てしまうような生活では、生産性がないし、第一不健康だ。
有り難いことに健康だし、時間もたっぷりある。
なら、社会参加をした方が良いということで、
無理のない程度に働くことを選んだのは、夫の意思だ。
そのオットが、
「実は、先日覗いたお店で、偶然昔の仕事関係の人に会ったんだよ。」
と言う。
「今やっているビジネスが忙しくて、内容をよく分かっている人に来てもらえると助かる。
オットさん、お願い出来ないか。」
と頼まれたのだそうだ。
オ「本社の人との面接があるんだ。」
ラ「いつですの?」
オ「明日。」
ラ「。。。」
オ「どっちみち、3月の日本旅行が終わったら、他の仕事を探そうと思っていた。」
ラ「おや、初耳です。」
元々管理職だったのが、退職して、いくら責任のない仕事と言っても、
学生さんのバイトみたいな仕事は、さすがに物足りなく思っていたらしい。
いいんじゃないですか。
もう、生活の事とか考える必要もないんだし、好きなことをしてもらって良いです。
ということで、面接の結果は…。後日。
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家に帰ったら、航空ショーからメールが入ってきた。
「悪天候のため、大変ご迷惑をおかけしました。
シートの購入をされた方には、2025年度の航空ショーの
金曜日のチケットを無料にさせて頂きます。」
金曜日じゃ駄目よ。
時給で働く、しがない事務員のラクラシは、仕事休んで行ったら赤字になるじゃないの。
まあ、くれるものは貰っておくけど、
今回行ったことで勝手がわかったので、
来年こそは、素晴らしいショーが見られますようにと願うラクラシであります。
来年???