いつの間にか長くなったLA暮らし

ロサンゼルス(LA)に住み始めて、いつの間にか40年以上が過ぎました。仕事と趣味を楽しみながら、忘備録としてつらつら書いています。

垣谷美雨 2作 「あなたのゼイ肉、落とします」「あなたの人生、片付けます」


北國浩二さんの「嘘」の感動がまだ去らないので、


しばらくは軽いものにしようと思い、選んだのが、


垣谷美雨さんの、「あなたのゼイ肉、落とします」と、「あなたの人生、片付けます」。


どちらにも出てくるのが、個別指導をしてくれる女性。


「あなたのゼイ肉…」に出てくるのが、大庭小萬里(こまり)さんで、


「あなたの人生…」に出てくるのが、大庭十萬里(とまり)さん。


実はこの二人は姉妹で、十萬里さんがお姉さんで、小萬里さんが妹さん。



この二冊は、どちらも、ダイエット本でも、片付け本でもない。


読んでいるうちになるほどと思ったのは、


ゼイ肉もモノも、どちらも溜め込むのは心のぜい肉だという所だ。


小萬里さんも十萬里さんも、相談者の本質を見抜き、ズバズバとアドバイスをしていく。


相談者は、最初のうちは、なかなか素直にアドバイスを聞くことが出来ないが、


だんだんと自分の心と向き合い、そして人生を動かしていく。




おもしろかったのは、「あなたの人生、片付けます」の中の、


ある、かつての豪商宅に一人で住んでいる未亡人女性の話だ。


広い家の、押し入れからガレージや離れといった、大きな「入れ物」に、


これでもかと溜め込んだモノたち。


捨てるように言われても、


「だってこれ、高かったんですよ。」


と、何度も繰り返す所だ。


ミンクのコートを、本当は180万円したのに、そうは言えなくて、80万円だったと言う所なんか、可愛いなと思った。


買った時に高かったから、勿体なくて捨てられない。


この気持ち、分かる人が多いと思う。


どこかで思い切ることが必要なのだと言うことに気付かせてくれる。



こんなにすっきりと解決できるかなあと思わないでもないが、


読後感は良かった2冊だ。


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