彼女が離婚しない理由 ₋ 配偶者年金に付いて
マキさんが来る前に彼女のポジションにいた女性がいる。
彼女はまだ若かったが、夫さんとはセパレートしていて、2人のお子さんは、まだ学齢期だった。
シングルマザーと言っても、実家でご両親と同居していたので、生活には困っていない様子だった。
彼女が、なぜ夫さんと正式に離婚しないかというと、
結婚歴が10年以上ないと、将来、配偶者年金を貰うことが出来ないからだ。
配偶者年金は、10年以上結婚していれば、妻は夫の年金額の半額を受け取ることができ、
離婚しても、結婚歴が10年以上あれば適用される。
その時点で、自分の年金額と配偶者年金の額を比べて、多い方を選ぶことが出来る。
結婚期間が10年に満たないうちに破綻した彼女は、その10年が経つのを待っている時期だった。
まだ若いのに、将来のことまできちんと調べて、計画を立てているのは偉いなあと感心した。
そうかと思えば、現場のスタッフさんで、結婚10年に満たないうちに離婚した人がいて、
そういうことを知らなかったので、元夫さんが年金受給者になっても、
自分は、配偶者年金をもらえず、自分の分の年金だけでは生活が出来ないからと、
生活のために働いている人もいる。
また、友人のN代のような人もいる。
N代もシングルマザーだが、彼女は10年以上結婚していた。
それなのに、離婚した元夫さんの配偶者年金は受け取りたくないと言って、
自分の分だけでやっている。
私たちが、
「元夫さんからもらうのではなく、ガバメントからもらうのだから、元夫さんと関わるわけではない。」
と、口を酸っぱくして言うのだが、プライドが許さないらしい。
N代の元夫さんは駐在員だったため、当時駐在員の妻には労働許可がなく、
N代はずっと専業主婦だった。
自分で働いた期間が短いため、年金の額は、そんなに多くはない。
自分の年金額と、元夫さんの配偶者年金の額を比べたら、
当然配偶者年金の額の方が多いのに、かたくなに受け取りを拒否している。
まあ、彼女は実家が資産家なので、配偶者年金を当てにする必要もないのかもしれない。
将来受け取るために、今から準備をしている人、
貰いたくても貰えない人、
貰えるのに貰いたくない人。
いろいろな人がいる。